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【完全版】ラットプルダウンの正しいやり方|平均重量や「背中下部」に効かせるコツを解説

板山世界

執筆板山世界

Me-Mott中野店の代表トレーナー。SSA2024東京大会スポーツモデル部門準優勝の実績を持つ。『ラブ トランジット』シーズン2への出演経験を活かし、明るく前向きな指導スタイルで定評がある。骨格診断に基づいた的確なトレーニング処方と、リバウンドしない体づくりの指導を得意とする。クライアントの8割が6ヶ月以内に目標を達成している。

【完全版】ラットプルダウンの正しいやり方|平均重量や「背中下部」に効かせるコツを解説

「背中を鍛えているはずが、先に腕がパンパンになる」

「懸垂はできないから、マシンで背中を大きくしたい」

「逆三角形のくびれを作りたい」

ジムに行けば必ずと言っていいほど設置されている「ラットプルダウン」。

非常にポピュラーな種目ですが、実は「最も効かせるのが難しい種目の一つ」でもあります。ただバーを引くだけでは、広背筋ではなく腕のトレーニングになってしまうからです。

この記事では、トレーナーのユウタが実演・解説する「背中にバチバチに効かせるラットプルダウン」のやり方を紹介します。

動画内で解説している「カマキリの手」や「骨盤の前傾」といった独自のコツをマスターすれば、初心者でも最短で理想の背中に近づけます。

目次

ラットプルダウンとは?鍛えられる部位と効果

まずは、どこの筋肉を狙って動かすべきかを理解しましょう。

広背筋(背中の広がり・くびれ作り)

メインのターゲットは「広背筋(こうはいきん)」です。

ここを鍛えることで、男性なら「逆三角形の広い背中」、女性なら「ウエストが細く見えるくびれ効果」が期待できます。

【動画の注目ポイント】

通常、ラットプルダウンは背中の上部〜中部に効きやすいですが、今回解説するフォーム(肘を腰に寄せる動作)を習得すると、鍛えにくい「広背筋の下部」までしっかり刺激を入れることができます。

大円筋(脇の下のシルエット)

脇の下にある「大円筋」にも強い負荷が入ります。ここが発達すると、正面から見た時の体の幅が広くなり、シルエットが劇的に変わります。

チンニング(懸垂)との違いとメリット

懸垂は「自分の体重」を持ち上げる必要がありますが、ラットプルダウンはピンを挿し変えるだけで重量調整が可能です。

そのため、筋力がない初心者や女性でも、正しいフォームで安全に背中を鍛えることができます。

【動画あり】ラットプルダウンの正しいやり方とフォーム

それでは、背中に効かせるための正しいフォームを解説します。

「ただ座って引くだけ」ではありません。座り方と手の構え方にこそ、プロの極意が詰まっています。

ここからは、動画のポイントを5つのステップで詳しく解説します。

1. 握り方と準備:「カマキリのような手」を作る

(動画 0:47〜)

バーを握る時、脇をガバっと開いていませんか?

動画では「肘を締めて、カマキリのような手を作る」と解説しています。

  • 握り方: 親指を外して握る「サムレスグリップ」がおすすめ。
  • 構え方: 肘を外側に張るのではなく、少し内側に絞る(締める)ように構えます。

こうすることで、腕の関与を減らし、最初から広背筋にテンションがかかった状態を作れます。

2. 正しい座り方:骨盤を「前傾」させる

(動画 0:30〜)

これがラットプルダウンで最も重要なポイントです。

腰が丸まった状態(骨盤の後傾)で引いても、背中の筋肉は縮みません。

  • ポイント: パッドに足を固定したら、骨盤をグッと立てて(前傾させて)座ります。
  • イメージ: 少しお尻を後ろに突き出し、胸を張る姿勢です。

動作中は常にこの「骨盤の前傾」をキープしてください。これが崩れると背中に効かなくなります。

3. スタートポジション:肩甲骨を「下制」する(下げる)

(動画 0:16〜)

バーを握ったら、いきなり腕で引き始めてはいけません。

まずは「肩をガクッと下に落とす(下制)」動きを行います。耳と肩の距離を遠ざけるイメージです。これにより、背中のスイッチが入ります。

4. 引く動作:手ではなく「肘を腰に近づける」

(動画 1:14〜)

バーを顔の前に引いてくる時、手の力で引っ張ろうとすると腕が疲れます。

  • 意識: 手はただのフック(引っかけ)です。
  • 軌道: 「肘を自分の骨盤(腰)にぶつけにいく」ように下ろします。

胸を張り、鎖骨の下あたりに向かってバーを下ろしてくると、自然とこの軌道になります。

5. 戻す動作:肘を締めたままストレッチを感じる

(動画 1:22〜)

バーを戻す時(ネガティブ動作)も気を抜けません。

  • カマキリの手をキープ:

肘が外に開かないよう、内側に締めたままバーを戻していきます。

  • 伸ばしきらない:

腕が完全に伸びる手前、「肘が軽く曲がった状態」で止めます。

肘を締めたまま耐えることで、広背筋が引き伸ばされる強いストレッチ感を感じることができます。

初心者がやりがちなNGフォームと改善策

腰が丸まっている(骨盤の後傾)

腹筋に力が入りすぎて、猫背のように丸まって引くパターンです。

改善策: 動画の通り「骨盤の前傾」を意識しましょう。おへそを太ももの間に押し込むようなイメージです。

バーを下ろしすぎている(腕力への依存)

「たくさん引いたほうが効く」と勘違いし、お腹の方まで無理やり押し下げてしまうケースです。これでは肩が内側に入り、背中から負荷が抜けてしまいます。

改善策: バーを下ろすのは「鎖骨〜胸の上部」までで十分です。

体が後ろに倒れすぎている

体重を使って後ろに倒れ込みながら引くのは「ローイング」に近い動きになり、ラットプルダウンの効果が薄れます。

改善策: 体を少し反らせる程度に留め、天井に向かって胸を突き出す角度を保ちましょう。

ラットプルダウンの平均重量は?重さ設定の目安

「何キロでやればいいの?」という疑問に対する目安を紹介します。

※マシンのメーカー(滑車の構造)によって体感重量は異なるため、あくまで参考値です。

【男女別】初心者・中級者の平均重量

  •  男性(初心者): 体重の40%〜50%(例:体重60kgなら25〜30kg)
  •  男性(中級者): 体重の70%〜80%
  •  女性(初心者): 体重の30%程度(例:体重50kgなら15kg前後)

初めて行う場合のスタート重量の決め方

まずは「15回〜20回できる軽めの重量」から始めてください。

重すぎると必ず「腕」で引いてしまいます。まずは軽い重量で「骨盤の前傾」と「肘を腰に寄せる」感覚を掴むことが最優先です。

アタッチメント(バー)の種類と手幅による違い

ジムには色々なバーが置いてあることがありますが、狙いたい部位によって使い分けましょう。

ワイドグリップ(通常の長いバー)

  •  狙い: 背中の「広がり」を作る。大円筋・広背筋上部。
  •  特徴: 最も一般的。手幅は「肩幅の1.5倍」程度が基本です。

ナロー/パラレルグリップ(Vバー・三角形のバー)

  •  狙い: 背中の「厚み」を作る。広背筋下部・内側。
  •  特徴: 手のひらが向き合うため力が入りやすく、高重量を扱いやすいのが特徴です。

目的別:回数・セット数・インターバルの組み方

筋肥大(逆三角形・広がり)目的の場合

  •  回数: 8〜12回(ギリギリ上がる重さ)
  •  セット数: 3セット
  •  インターバル: 2分

ダイエット・引き締め目的の場合

  •  回数: 15〜20回
  •  セット数: 2〜3セット
  •  インターバル: 1分

少し軽めで回数を多く行い、背中をしっかり動かして代謝を上げましょう。

安全に行うための注意点とQ&A

肩が痛くなる原因は?(ビハインドネックについて)

首の後ろにバーを下ろす「ビハインドネック」というやり方がありますが、肩関節への負担が大きく、現代ではあまり推奨されていません。

基本的には「フロント(胸の前)」に下ろすやり方で行いましょう。

手が痛くなる場合は?

握力が先に尽きてしまう場合は、「パワーグリップ」や「リストストラップ」の使用を強くおすすめします。

「ズル」ではなく、背中を追い込むための必須アイテムです。

まとめ:骨盤前傾と「肘の意識」で背中美人・背中マッチョへ

ラットプルダウンは、座り方と意識一つで効果が天と地ほど変わります。

【今回の重要ポイント】

  • カマキリの手(肘を少し締める)で構える
  • 骨盤を前傾させて座る(腰を丸めない)
  • 手で引かず、肘を腰にぶつけにいく

まずは重量を追わず、この3点を意識できる重さで丁寧に練習してみてください。

「背中に効く」という感覚が分かれば、あなたの背中は驚くスピードで変わり始めます!

この記事を書いた人

板山世界

板山世界

Me-Mott中野店の代表トレーナー。SSA2024東京大会スポーツモデル部門準優勝の実績を持つ。『ラブ トランジット』シーズン2への出演経験を活かし、明るく前向きな指導スタイルで定評がある。骨格診断に基づいた的確なトレーニング処方と、リバウンドしない体づくりの指導を得意とする。クライアントの8割が6ヶ月以内に目標を達成している。

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